竜の瞳に恋してる


 吾輩は竜である。名前は中竜貴。仏法を守護する誇り高き竜神族の一員である。そんな吾輩……コホン、私は目下、人間界の日本にある六道女学院という学校で非常勤講師を務めている。神族である私が何故、人間界の学校で教鞭を執ることになったかというと、そこには聞くも涙、話すも涙の経緯があるのだ。
 私は竜神族の代表として、姉の大竜姫と共に出雲大社に出向していた。
 大和神族は神界での勢力は決して強くないが、とにかく数が多い。八百万(やおよろず)はさすがに誇張表現だが、多数決が神界の議決法だったら間違いなく最大勢力と化す集団なのである。その大和神族は、神族と魔族の抗争がもっとも熾烈を極めた時期にあっても一歩引いたスタンスを保ってきた。
 実は、神魔間の争いは元を正せば神族同士の覇権争いだった。争いに敗れた者は神界を追われた。こうした堕天組が増えるにつれて集団化し、負の神気が吹き溜まりのように集まって魔界が生まれた。そうして生まれた魔族が神族に対抗する勢力へと成長していったのだ。
 こういった経緯から、抗争に最も積極的だったのは一神教の神だった。他の神を認めることが自己の基盤の崩壊につながりかねないからだ。
 一方で、大和神族はそういった覇権争いに興味がなかった。何しろ八百万。みんな神様、オールウェルカムという恐ろしく牧歌的で鷹揚な思想が信条なのだ。いつの間にか大和神族の一員として取り込まれてしまった仏神だっている。そういったケースを人間界では神仏習合などと呼んでいるらしい。そんな神族に保護されて発展した日本人が、お人好しな民族に育ったのも致し方ないというものであろう。
 もちろん、大和神族だって長い歴史の中では内部での対立が起こったことはある。が、それとて、おもに西洋世界を蹂躙した神魔の争いと比べれば兄弟ゲンカ程度の可愛いものでしかなかった。
 私はそんな大和神族の寛容性を学ぶべく出雲に出向することになった。それに、出雲の地では八岐大蛇(やまたのおろち)のイメージが先行していて、竜神族の評判が極めて悪い。その不名誉を雪ぐことも重大な任務だった。
 重大な任務だったのだが……。


 出雲大社で竜が暴れるという事件が起こった。その竜は私ではない。誓って違う(「ボン・ヴォワヤージュ」参照)のだが、その真犯人に黒幕だの何だのと濡れ衣を着せられ、出雲大社を追い出されてしまったのだ。
 私を陥れた姉上、今度会ったら……私に何かできるはずがないじゃないか。泣き寝入りだ。これは罰というより姉上の私怨による制裁としか思えない。もしかしたらあの晩、ちょっとばかし口を滑らせ過ぎた(「ボン・ヴォワヤージュ」参照)のがまずかったのだろうか。
 路頭に迷った私は、まさか神界にのこのこと帰るわけにもいかず、妙神山にいる妹を頼るわけにもいかず困っていた。しかし、捨てる神あれば拾う神あり。……いや、むしろ拾われる神なのだが、奇しくも私が出雲を追い出されるきっかけとなった事件で知己を得たゴーストスイーパー・横島さんのとりなしで、六道女学院にお世話になることになったのだ。
 横島さんから借りた「すーつ」という服も、最初は何だか落ち着かなかったものだが、慣れてくるとなかなかに着心地がいいものだ。そういえば妹の小竜姫もたまに下界の洋服を着ると言っていた。


「中竜貴先生」
 授業を終えて職員室へ戻る私を後ろから呼び止めたのは、今まで授業を行っていたクラスの生徒だった。ちなみに私の担当は除霊史である。文官とは言え仮にも神族であるから、人間に指導する程度の除霊術は心得ているつもりだが、実技の授業は横島さんや鬼道さんで事足りているらしい。もちろん、私としても教室で講義をするほうが性に合っているから、敢えておふたりの仕事を奪うような真似はしない。
 歴史を語るならお手の物である。伊達に長く生きてはいない。除霊の話であれば、私は封神台の時代からこの目で見てきたのだ。
「……という理由で、平安京は霊的バランスを考慮した立地になっているのです。とは言っても、実際には物の怪の類が数多く流れ込んでいましたけどね。陰陽師の方達も大変そうでしたよ」
「わあ、さすが竜神さま。ありがとうございました」
 私の説明を興味深そうに聞き終えると、その生徒は花のような微笑みを残して駆け去っていった。確か廊下は走ってはいけない決まりだと聞いたのだが、まあいい。この学校は比較的おおらかな校風のようだから、そうそう目くじらを立てることもあるまい。
 にしても、私が堂々と神族を名乗っていてもまったく動じることなく他の先生方と同じように接してくる。もちろん、相応の敬意を払ってくれていることは疑いない。日本人というのはみんなこういうものなのだろうか。それともこの学校が特殊なのだろうか。この学校にお世話になる際に、角を隠して人間に擬態し、本名を伏せた方がいいのではないかと相談したら、横島さんは大丈夫と言って鷹揚に笑っていたが、まさにその通りだった。
「中竜貴さま〜〜今お戻りですか〜〜?」
 踵を返して職員室のある一階へ下りようとしたところで、のんびりとした声が階上から聞こえてきた。見上げると、おかっぱ頭の女性がゆっくりと下りてくるところだった。やや場違いな印象さえ受けるドレスを着たその女性は、この学校の理事長の娘、六道冥子さんだ。彼女はこの学校の理事を務めると同時にプロのゴーストスイーパーとしても活躍している。……もっとも、横島さんに話を聞いても、ゴーストスイーパーとしての冥子さんの実力に関しては曖昧な笑みを浮かべるだけだったから、活躍しているのかどうかは疑問の余地があるが。
 その冥子さんは、にこやかな笑顔で階段を……踏み外した。
「きゃあっ!」
「……っ!」
 手にしていた教材をひとまず踊り場に投げ捨て、冥子さんの落下点に回り込み、その体を受け止めることに成功した。
「ふう……」
 安堵の息をつく。
「気をつけてくださいよ、冥子さ……って」
「うぅ……えぐっ……」
 抱き止めた腕の中で、冥子さんは今にも泣き出しそうに嗚咽を漏らしていた。まずい……冷たい汗が背中を流れ落ちる。まだ実体験はないものの、横島さんや鬼道さんから聞いたことくらいはある。泣き出した冥子さんの恐ろしさを。式神が暴走して辺り一帯を阿鼻叫喚の地獄絵図に変えるとの話だった。あの横島さんが震え上がるほどだ。おそらくは竜変化した姉上や小竜に匹敵するくらいの脅威と考えるべきだろう。その証拠に、冥子さんから膨大な霊気が溢れ出て今にも暴発しようとしているのがわかる。……これは、竜神の私でも死ぬかもしれない。いや、死なないまでも無事では済むまい。
 生存本能に突き動かされた私は冥子さんの頭を抱え込んで宥めるように撫でた。
「だ、大丈夫ですよ。もう安全ですからね」
 咄嗟のこととは言え、もしかしたら逆効果だったかもしれない。しかし、ここで冥子さんを突き放して逃げようとすれば、それは確実に死亡フラグのような気がした。
「……ほえ?」
 不意に冥子さんが不思議な声を漏らした。どうやら少し落ち着いたらしい。気化したガソリンが充満した部屋のような緊迫した雰囲気はなくなっている。
 冥子さんを抱きしめるような格好になっていた腕をそっと緩める。
「……あ」
 見下ろした冥子さんは恥ずかしさのためか頬が赤く色づいていた。その様子を見て、今更ながら冥子さんの体温と肌の柔らかさが感じられて、どうしようもなく顔が火照っていくのが自分でもわかった。
 どさどさどさっ! 何かが派手な音を立てて落ちるのが聞こえて、冥子さんと同時にそちらを振り向いた。
 呆然とした表情の鬼道さんが私たちを見ていた。
 オーケー、状況を整理しましょう。今、私と冥子さんは階段の踊り場で頬を染めて抱き合っている。そして、横島さんから聞いた話と私の観察が間違っていなければ、鬼道さんは、その……冥子さんのことが好きらしい。
 私がそんなことを考えている間に、わなわなと震えていた鬼道さんはばっと背を向けると、
「どちくしょーっ!!」
 絶叫しながら走り去っていった。
「マーくんったら〜〜どうしたのかしら〜〜?」
 頭の上に大きなはてなマークが浮かんでいそうな表情の冥子さん。あなたは何も気づいていなかったわけですね。鬼道さん、哀れだ……。
「あ〜あ、鬼道の奴、いじけちゃいましたね」
 新しい声が、今度は階下から聞こえてきた。首だけそちらに向けると、横島さんがニヤニヤしながら上ってくるのが見えた。
 と、冥子さんが慌てて私の腕をふりほどいて離れた。その動きはいつもの彼女からは想像できない素早さだった。
「よ、横島ク〜〜ン、これは何でもないのよ〜〜。ただ、階段から落ちそうになって助けてもらっただけだから〜〜」
 この反応の違い。鬼道さん、ますます哀れです。
「ええ、知ってますよ。見てましたから」
「い、いつからですかっ!?」
 横島さんの事も無げな発言に先に反応したのは私のほうだった。
「冥子ちゃんが足を踏み外した辺りです」
 ほとんど最初からじゃないですか!
「いやあ、冷や冷やしましたよ。冥子ちゃんが暴走したら校舎とか壊れちゃうでしょ。いざとなったら中竜貴さまごと文珠で強制転移させるしかないかなって。まあ、そういうのやったことないんで、成功する確証はないんですけどね」
「あなたは私を見殺しにするつもりだったんですか!」
「いやだなあ、そんなわけないじゃないですか。でもほら、中竜貴さまって生徒たちに人気あるんですよ? だったら、邪魔者は今のうちに……って思ったりするのは男の性ですよね?」
 ニコニコしながら恐ろしいことを言っている。
「そのお話、じっくり聞かせていただけませんか、横島先生?」
 不意に冷ややかな声が割って入った。横島さんはびくりと肩を震わせて恐る恐る振り返った。
「あ、おキ……氷室さん」
 ここが学校だからなのか、横島さんが名字で言い直すと、呼びかけられた女生徒、氷室キヌさんの笑顔が更に強張った。
 横島さん、公私の区別をつけようというその姿勢は立派ですが、今、この場でそれは確実に選択ミスです。あと、さっきの発言を考えると今更ですから。
「中竜貴先生、六道理事、横島先生に少し相談がありますので、生徒指導室をお借りしますね。それでは、お二人はそのままごゆっくりどうぞ」
 これまた素敵な笑顔でそう言うと、氷室さんは横島さんを引きずって歩き去っていった。まあ、あの二人はあれで仲良くやっているのだろう。
 さて、鬼道さんのほうはどうしたものか。考えながら冥子さんに視線を向けると、横島さんたちが消えた廊下の向こうをぼうっと見つめていた。
「あの、冥子さん?」
 問いかけるが返事はない。
「……」
 気まずい。冥子さんは意識があるのかないのかさえわからないくらい無防備に立ち尽くしている。さすがにこのまま彼女を置いて立ち去るわけにもいかない。ましてや、鼻からジュースを飲ませたり、持ち物をすり替えたりなどという暴挙に出ることなど私にはできない。
「あ〜〜横島クンとおキヌちゃんを二人っきりにしちゃダメよ〜〜」
 どうすればいいのか思い悩んで私まで途方に暮れていると、突然我に返って冥子さんが声を上げた。ちなみに、声に緊迫感はまったくない。というか、気づくの遅いですね、冥子さん。
「中竜貴さま〜〜、何してるの〜〜? 二人を追いかけるわよ〜〜」
 冥子さんは私の手を引いて階段を下り始めた。どうして私まで、という抗議を心の内に留めたのは、私を引いている手が思いの外に柔らかく、そして温かかったからかもしれない。


 教師と理事が学校の廊下を連れ立って歩いているというのは、本来ならば珍しい光景ではない。しかし、一方がもう一方に手を掴まれて引きずられるように歩いていく様が一般的なものではないということくらい、教師生活の短い私でも察することはできる。
「あの、冥子さん」
 小声で呼びかけてみるが、冥子さんは廊下をまっすぐ歩いていくばかりで、反応してくれる様子はない。それほど歩みが速いわけでもなく、傍から見ればのんびり歩いているようにしか見えないのだが、彼女なりに急いでいるつもりなのだろう。
 さて、授業中でもない学校の廊下を歩いていれば、当然生徒とすれ違うことだってある。その行き会う生徒たちが、一様に目を見開いて口をぽかんと開けているのは、決して偶然などではないだろう。
 いつもの事ながら、女性が絡むといつも失敗ばかりだ。まして、最近まで駐留していた出雲大社では若い女性と接する機会などほとんどなかったから尚更だった。
 神様のくせに俗っぽい? 冗談はおやめいただきたい。神族も魔族も、基本的に異性には弱いものなのだ。もちろん、やたらと堅物な神もいるが、それもたいていは一神教の神に限られる。オリンポスの神々を見るがいい。私ごとき中級神族が太古の大神を引き合いに出すのはおこがましいのだが、ゼウス殿の女性関係の派手なことといったら。
 現実逃避していると、冥子さんが不意に立ち止まり、引っ張られていた私は慣性に従って追突した。
「きゃっ! 中竜貴さま〜〜ちゃんと止まってくれないと〜〜」
「あ、すみません」
 ここは素直に謝っておく。急に立ち止まらないでくださいとか、そもそも引きずらないでくださいとか、そんな余計なことを口にするのは得策ではない。
 見上げれば、冥子さんが立ち止まった理由もわかる。目の前にある戸口の上には「生徒指導室」の札がかかっていた。
 ああ、いつの間にか到着していたんですね。
 私の記憶が確かなら、さっきまでいた場所からここまでは校舎の端から端くらいの距離があったと思うのだが、その間ずっと冥子さんに手を引かれ続けていたということになる。さぞかし多くの生徒や先生方に目撃されたことだろう。
「はぁ……」
 思わず溜息がこぼれる。
「しぃ〜〜。中竜貴さま、大きな声出しちゃダメよ〜〜」
 冥子さんが自分の口に人差し指を当てて小声で言った。
「あ、すみません」
 ほとんど反射的に謝ってから、さっきの冥子さんの声のほうが大きかったんじゃないかと思い出し、釈然としない気分になった。
 そうしているうちに冥子さんは生徒指導室のドアに片耳を当てて中の物音を聞こうとがんばっている。それがなんとも微笑ましい仕草で、私も冥子さんに倣ってドアに耳を当てた。
「……やっぱりダメだよ。こんな……」
「こんな……できないじゃない……。……開けて……」
「誰も……恥ずかしい……」
「……なんて……ですよ。……私たち、……ですから」
 途切れ途切れにしか聞こえないが、なかなか大変な状況になっているようだ。
 と、不意に引き戸がガラガラと動き、慌てて私は耳を離した。見上げると、冥子さんがドアを開け放ち、呆然と立ち尽くしていた。次第にその肩がわなわなと震え始める。ちなみに私の一からはまだ室内の様子は窺えない。
「よ、横島クンの……浮気者〜〜」
 冥子さんはそう叫ぶなりいきなり廊下を走り去っていった。
 ……冥子さん、これは浮気じゃないと思いますよ? そんなことを思ったのだが、学校でいかがわしいことをしているのならば、それは黙って見過ごすわけにもいくまい。
 そして、私はどうやら冥子さんに感情移入していたらしい。冥子さんを泣かせた二人に対するちょっとした怒りのようなものもあったのかもしれない。私は戸口に踏み込むなり、苛立たしげに叫んだ。
「横島さんっ! あなたという人は、神聖な学校で何を……って、え?」
 最後まで言い切ることなく言葉が尻すぼみになる。
 生徒指導室に飛び込んだ私の目に映ったのは、おキヌさんの差し出したお箸を咥えている横島さん。テーブルの上には広げられた弁当箱。色とりどりのおかずがとてもおいしそうだ。おキヌさんは料理が得意だと聞いたことがあるから、きっと手作りなのだろう。
 そして、二人は唖然とした表情で私のほうを凝視している。
「こ、これは、失礼しました!」
 目のやり場に困って二人に背を向ける。何故だろう。予想していた場面はもっと過激かつ背徳的なものだったというのに、目撃してしまった恥ずかしさはこっちのほうが数段上かもしれない。
「と、とにかく、生徒指導室を私用に使うのはよくないと思うのですが、そこんとこどうですか?」
 やや見当違いの質問を投げかけてしまう辺り、私も割といっぱいいっぱいなのだろう。
「そりゃ、冥子さんも泣きながら逃げ出すわけですね」
 ……って、そうだ。今は冥子さんのフォローをしなければ。私は冥子さんが駆け去った方角へ廊下を進み始めた。気が急いて足取りが少しずつ速くなる。


 冥子さんは校庭の外れにある木の下に佇んでいた。取りあえず、周辺で破壊活動が行われた形跡はないから、例のプッツンは起こらなかったのだろう。それだけでも少しホッとするが、まだ安心はできない。それに何と言うか、冥子さん本人のケアも必要なのかなと思ってしまうのだ。つくづく、私は巻き込まれ体質だと思う。
「冥子さん」
 そっと声をかけてみる。冥子さんはぴくりと肩を動かしたが、こちらを振り向こうとはしなかった。
「冥子さん、そんなに気を落とさないでください。あなたのことを大切に思っている人がすぐ側にいるんですよ」
 そう、鬼道さんが……トスン。
 ……トスン? 何かが軽やかにぶつかってきた気がするんですが。
 そっと見下ろすと、冥子さんがいた。何というか、ゼロ距離で密着していて、その……まるで、僕の胸でお泣き、みたいな感じになっちゃっている。
 胸元にさらさらと当たるおかっぱ髪のいい匂いと、もう少し下のほうから伝わってくる二つの柔らかい感触が、いい具合に冷静な判断力を奪っていく。
 ああ、こういう時はどうするべきなんだろう。たぶん、気が済むまで胸を貸してあげるのが男の甲斐性というものなのだろう。そっと、抱きしめてあげたほうがいいのだろうか。うん、それくらいしたって仏罰は当たらないですよね。
 そうと決まれば。私は冥子さんの華奢な肩を両腕で包み込むように抱きしめた。
 しかし、こうなってくると、さっきの私のセリフの意味合いがまるっきり変わってしまう気がする。これではまるで私が冥子さんのことを……もちろん嫌いではありませんが。
 どさどさどさっ! 何かが地面に落ちる音が聞こえた。
 ものすごく……デジャビュです。
 恐る恐る首だけを動かすと、鬼道さんがわなわなと震えながら私たちの様子を見ている。心なしか、さっきよりも驚愕の色が強く表れているような気がする。まあ、こんな場面を二度も見せられれば当然の反応だろう。
 ただし。
 鬼道さん、あなたこんな所に何しに来たんですか? 間が悪いにもほどがあります。
「あ、あの、鬼道さん、これはですね……」
「い……」
「い?」
 言い訳は聞きたくないとでも仰るつもりだろうか。
「今に見ちょれよ〜〜っ!!」
 突然、バッと私たちに背を向けると、エコーのかかった声でそう叫びながら走り去ってしまった。……鬼道さん、あなた確か京都のご出身でしたよね。
 ああ、神様、ここでも私に平穏な日々は訪れないのですね。

Index

よろしければこちらから感想をお願いします。(任意の項目だけで結構です)

名前(ハンドルネーム)

メール(書いていただければ必ず返信いたします)

性別(秘密でもいいです)

男性 女性
年齢(秘密でもいいです)


読後の評価をお願いします


あなたはここの常連さん?


コメント(未記入でも可)


書き終わったら押してください→


海外ドラマ
広告 [PR] 再就職支援 スキルアップ アルバイト 無料レンタルサーバー