第壱章  宝泉京(前編)


 ふわりと体が浮く感覚の後、正面に青空が見えた。
 体感としてはずいぶん長い時間見えていた気がする雲がすうっと視界左方向にパンするのと同時に、頭頂から足の爪先まで、更には内臓という内臓が一斉に同じ方向に引っ張られるような不快感に襲われる。
 右回りに回転する視界から空の青が消えたかと思うと、代わって赤紫がかった物体が高速で現れた。
 あ、ぶつかる、まるで他人事のように思った次の瞬間。
「きゃっ!」
 自分のものではない短い悲鳴と共に視界が暗転した。落下点にいた誰かを巻き込んでしまったようだ。そのままもつれるようにして慣性に従って転がっていく。無意識の中でも良心が働いた結果なのか、自らの体と腕で巻き添えを食わせてしまった哀れな被害者を保護するように包み込んでいた。
 やがて背中が壁のようなものに押しとどめられて回転が止まる。
 安堵と共に一息ついているうちに、腕の中にすっぽりと収まっている人肌が思いの外に華奢で柔らかいことに今さらのように考え至った。その心地よさについ意識を手放しそうになったが、残念ながら先方はそれを許してくれなかった。
「さっさと離しなさいよ!」
 甲高い声と共に腕の中の人物が暴れ出した。顎に頭突きを食らって思わず怯んだところで、するりと肌の温もりが離れていく。まるで抱いていた猫が逃げていくような軽やかな動きだった。
「いつつ……」
「……」
 顎を押さえながらゆっくり体を起こす。
 無言のプレッシャーが突き刺さるのを肌で感じて顔を上げると、菖蒲色(あやめいろ)の童水干(わらべすいかん)を纏い、美しい黒髪を肩よりも下まで伸ばした、さながら想像上の牛若丸のような美しい容貌の少年が剣呑な目つきで尊人を睨んでいた。三つか四つほど年下といったところか。
 ……少年?
 先ほど耳にした声も、倒れている間に衣服越しに触れた肌の柔らかい感触も、おそらくは同年代の女の子のものだったと確信している。それとも顔を上げるまでの短時間に女の子は逃げ去り、目の前にいるのは別の人物なのだろうか。
 まさかと思いながらも周囲を見回す。他に人影らしきものは見当たらない。少年の後ろに隠れているというわけでもなさそうだ。
 それにしても……。
 ここはいったいどこだ?
 舗装されていない土の小路、両側には古い屋敷に見られるような土塀が並んでいる。
 こういう塀を何と言ったか、前に古典の授業で教わった気がするのだが。
 ……ああ、そうだ、築地(ついじ)だ。
 そんなことを思い出してすっきりしていると、険のある表情で睨む少年だか少女だかと目が合った。
 ここはここで妙な場所だが、目の前にいるこいつも妙だった。いったい何だってこんな時代がかった装束を身につけているのだろうか。
 映画かドラマの撮影でもやっているのかともう一度周りを見回す。やはり自分と目の前の水干以外に人の存在はない。何かの撮影をやっているのであれば当然それなりの機材やらスタッフに囲まれているはずだった。このように乱入者が入れば、すぐにでも監督なりADなりが怒鳴りながら飛び込んでくるだろう。
 ではいったい……?
 ふと、とんでもない可能性を思いついてしまい、すぐにそれを否定しようとする。
 時間跳躍(タイムリープ)。今までにそんなことが起きた経験はなかったが、正直なところ、ありえないと言い切れることでもなかった。
 いや、まさか。
 もしかしたら平安時代を扱ったテーマパークで、目の前にいるのはそのスタッフかもしれないじゃないか。あるいは貸し出し衣装を着て平安気分を堪能中の入場客という線もある。そう考えれば、女の子が牛若丸気分で男装をしていたって不自然ではない。
 そうだ、きっとそうだ。ここがたまたま客通りの少ない小路であるか、あるいは平日でパークも開店休業状態、他に客の入りがないのかもしれない。
「何きょろきょろしてんの? だいたいあんた何者なのよ? 変な格好して空から落ちてきて。泥棒? このあたりの邸にでも忍び込むつもり? だったらもうちょっとちゃんとやりなさいよね。下敷きになる身にもなりなさいってのよ」
 よく通る高い声と口調。やはり少年ではなくて男装の少女で間違いないようだ。
 ところで、変な格好と言われて視線を落とし、まじまじと自分の姿を見つめる。
 三条尊人(さんじょうみこと)、十七歳。ごく普通の男子高校生でいつもと同じ黒い学生服。
 中学生の頃から五年近く同じような格好をしているが、この服装を「変な格好」などと言われたのは初めてだった。近年になってブレザーの制服を採用する学校が増えているとは言え、それでも日常的に見かける格好には違いない。
 もし、ここが平安パーク(仮称)だとしても洋服を着て施設内をうろつくのが不自然などということはあるまい。
 それとも平安人になりきっているのか? 現代の服を着た尊人を怪しげな異世界人ということにしてロールプレイの真っ最中なのか? だったらもう少し言葉遣いも時代がかったものにしてくれたほうがわかりやすいのだが……。
「こら、人の話を聞いて質問に答えろ!」
 女の子が苛立ちも最高潮にそう叫んだ時だった。
「いたぞ!」
 野太い男の声が聞こえてきた。
「げ、しまった!」
 女の子が一転して焦りの表情を浮かべた。
「あんたのせいだからね。せっかく逃げ切れたと思ってたのに」
「何のことだ?」
「いいから何とかしなさいよ」
 女の子が指差す方向を見ると、妙に派手な模様のついた狩衣を着た大柄で髭もじゃの男が二人、怒り心頭といった様子でこちらに走ってくるところだった。そのうちの一人はこの天気のいい中、どういうわけか全身濡れ鼠である。腰に吊している物騒な物体はどう見ても刀だった。
 女の子はすっと隠れるように尊人の後ろに回った。
「お、おい……」
「何だ、お前は? 痛い目見たくなかったらその男女(おとこおんな)をこっちに渡せ」
 水浸しの男が柄の悪い口調で言った。実にわかりやすい悪党台詞、ありがとう。
 男女。どう考えても尊人の背中に隠れている少女のことだ。わざわざ男装までしている割にはバレバレじゃないか。
「なあ、これは映画かドラマの撮影か?」
 男たちから目を逸らすように空を見上げながら後ろの少女に尋ねてしまったのは軽い現実逃避だった。
「えいが? どらま? さつえい? 何わけのわからないこと言ってんのよ!?」
 少女は囁き声で口早に返してくる。
 そうだよなあ。どっちがありえるかっつったら撮影現場のほうが現実的だけどさ、この状況は違うよなあ。
「いいからさっさとこいつら片付けちゃって!」
 少女がわざとらしく声を上げて喚く。あ、こら、余計なことを。
「ほう、俺たちを片付けるだってよ。この変な格好の兄ちゃんが?」
 じりじりと後ずさりしながら小声で少女に尋ねる。
「なあ、俺のなり見て、こんなガタイのいい男二人に勝てると思うのか?」
「知らないわよ。泥棒なら何か特技くらいあるんでしょ。見た目より強いかもしれないじゃない」
 見た目が貧弱そうなのは否定しないわけだ。これでも運動神経はいいほうなんだぞ、現代っ子の基準では、だが。
「俺は泥棒じゃねえ。ただの高校生だ。……つってもたぶんお前さんにはわからんだろうけどな」
「はぁ? こうこうせいでも何でもいいから、無理なら時間くらい稼ぎなさいよ。その間に逃げるから」
「ちょっと待てよ。俺に死ねって言うのか!?」
「見つかったのはあんたのせいなんだから当然でしょ」
「冗談じゃねえ。こんなどこかもわからない場所で死んでたまるかよ」
「何ぶつぶつくっちゃべってやがんだ、あぁ? 俺たちとやり合うか、それともその女渡すか、さっさと決めろ」
 尊人と少女が小声で口論していると、痺れを切らした男が太刀を乱暴に抜き放ちながら凄んだ。博物館に展示されているような日本刀に比べれば粗い作りが目立つ刀身だったが、その分、一見して映画撮影用の竹光などではないとわかる暴力的な質感があった。
「や、できればどっちも遠慮したいかなあ……なんて」
「んだとこらぁ、ふざけんのもいい加減にしやがれ!」
 男は粗野な叫び声と共に大きく刀を振りかぶり力任せに尊人めがけて振り下ろした。尊人は咄嗟に男に背を向け、少女を庇うように抱きかかえた。

 次の瞬間。

「ぐはっ!」
 尊人の背中は強烈な勢いで築地塀に叩きつけられていた。肺が圧迫されて一瞬呼吸が止まり、視界が暗転しかける。
 いたたた、跳び過ぎちまったか……。やはり今日はいつもと感覚が違うようだ。
 背中の痛みを堪えて何とか顔を上げると、十メートルほど離れた場所で虚しく空を切った太刀を振り下ろしたままの男が、一瞬前まで尊人たちのいた場所を呆然と見つめていた。
「ごほっごほっ!」
 腕の中の温もりで少女の無事を確認した尊人は、安堵と共に何度か咳き込んだ。その声に反応してもう一人の男が振り返り、驚愕の表情を浮かべる。
「い、いつの間に……!」
 その男が自らも太刀に手をかけながら尊人たちのほうへ駆け出す。
 もう一度跳んで逃げることも考えたが、安全な場所に跳べる自信がない以上、避けたほうがよさそうだ。
 ええい、いちかばちか。尊人は迫る男を見つめ、そして。

「ぐえっ!」
 今度は男のほうが築地塀に叩きつけられる番だった。そのままずるずると崩れ落ち、ばたりと地面に伸びて動かなくなる。
 ああ、やっぱり力の制御がうまくいかないか。
 ぴくりとも動かない男の様子を見て、尊人は溜息をついた。何にしても取りあえずは助かったようだ。
「き、き、貴様……何者だ!? 鬼か、天狗か!?」
 最初に襲ってきたずぶ濡れの男が恐怖に満ちた表情で後ずさりしながら言った。
「……妖怪扱いかよ。ちょっと傷つくぞ」
 小声で反論するのも聞かず、男は踵を返すとあまり品のよくない捨て台詞を叫びながら逃げていった。
 あとには築地塀の傍らで倒れている男が一人。
「あ、おい、仲間……置いて行きやがった」
 逃げ去る男の後ろ姿にぽつりと投げかけるが、言葉は虚しくかき消される。
「ん……」
 そこで切なげな吐息を腕の中に感じ、自分が少女を抱きかかえたままだったことに気づいた。
「あ、悪い」
 尊人は慌てて少女を解放した。少女はうっすらと頬を染め、睨むような見つめるような視線を尊人に向けてきた。心なしか目元がやや潤んでいるようにも見える。
「これは仕方なかったんだからな! お前が何とかしろって言ったんだぞ。怒るなよ」
 少女の強気な口調を思い出し、また怒鳴られるかと構えると……。
「何ぼさっとしてんの。仲間連れてくるかもしれないでしょ。今のうちに逃げるわよ!」
 少女は尊人の手を引いて走り出した。
「え、おい、ちょっと」
 いきなり引っ張られ、抗議しようにも舌を噛みそうになって口をつぐんだ。いずれにせよ、一刻も早くあの場所を離れたほうがいいことに異論の余地はなかった。
 少女の足は思いの外に速く、尊人の足では引きずられないようについていくのでやっとだ。
 力使って疲れてるだけだからな。
 多少は足にも自信のあった尊人は、心の中でそう弁解してショックを和らげることにした。

 何度か角を曲がり、細い小路をいくつも駆け抜けた後、ようやく少女は立ち止まって尊人の手を離した。
「あんた、変な格好してると思ったら妖怪だったのね。初めて見たわ! で、天狗? それとも鬼? どっち?」
 振り返った少女はキラキラと目を輝かせながら矢継ぎ早に尋ねた。驚いたことにまったく息が切れていない。この子のほうがよっぽど妖怪じみてるんじゃないかと思いながらも、尊人は息を整えるのに必死だった。
「ぜぇぜぇ……。どっちでもねえよ。れっきとした人間だ」
「あら、そうなの? じゃあ流しの陰陽師とか?」
「陰陽師って、そんなご大層なもんでもないけど、まあ似たようなものなんじゃないか」
 本当のことを言っても通じるとは思わなかったから、そう言っておくに留めた。
 実際のところ、尊人は超能力者(エスパー)なのである。
 といっても、そうそう何でもできるわけではない。使える能力は念動力(サイコキネシス)と瞬間移動(テレポーテーション)、それにごく弱い遠隔精神感応(テレパシー)。
 サイコキネシスで動かせるのはせいぜい自分の体重くらいの物体が限度だし、テレポーテーションも一回で移動できる距離は過去の最高記録で五十メートル程度、普段はその半分も跳べればいいほうだ。テレパシーに至っては、誰かが飛ばした強い感情を時々拾うことがあるくらい。基本的に受信専用だが、意図的に他人の思考を読み取ったり言葉を使わずに意思の疎通を図ったりなんてのは夢のまた夢。
 しかし、今日は朝方のトラブルでちょっと頭を打ってからどうも能力が上手く制御できない状態が続いていた。
 さっきテレポーテーションで逃げた時にせよ、サイコキネシスで男を投げ飛ばした時にせよ、意図としてはもう少し短い距離だったり、軽い力を使ったつもりだったのだ。勢い余って壁に体当たりしたり、相手が失神するほどの力で投げ飛ばしたりしたつもりはなかった。
 ましてや、時間跳躍(タイムリープ)ができるなどとは思ってもみなかったし、いきなり千年近くも跳ぶなんて我ながら非常識にもほどがある。
「陰陽師なら、気をつけたほうがいいわよ。この都はそういうの、取り締まりが厳しいから」
 少女の言葉に思考を戻す。
「なあ、ここってやっぱり平安京なのか?」
 確認のつもりで尊人は尋ねてみた。
「平安京? 聞いたことない名前ね。この都のことはみんな宝泉京って呼んでるわよ」
 何だって? いや、その当時から平安京って名前で呼ばれていたかどうかは自信がないが、宝泉京なんて名前は別名ですら聞いたことがないぞ。
 もしかすると時間跳躍じゃなくて違う世界なのだろうか。
「じゃあ、あれか? 藤原なんたらっていう貴族はいないのか?」
 そもそも貴族という単語が存在するかも疑問だったが、今はそんなことは後回しだ。
「ふじわら? そんな名前の貴族、聞いたことないわね。他の国の話じゃない?」
 そう答える少女の声はそれまでと打って変わって曇りを帯びていた。貴族が嫌いなのだろうか。身なりは悪くないから貧しいわけではなさそうだし、わざわざ男装して出歩いているのも貴族の姫君がこっそり邸を抜け出しているのだとすれば納得できるのだが、そういうわけではないのかもしれない。
「そうだ。まだ名前も聞いてなかったわね。あたしは須世理(すせり)。あんたは?」
 話題を変えたかったのか、少女は曇りを振り払った声で尋ねた。
「三……尊人だ」
 何気なくフルネームで名乗ろうとしたのを慌てて引っ込めた。貴族でもないのに名字がついているのはおかしいのではないかと考えたのだ。須世理と名乗った少女が貴族嫌いなら誤解を招いて機嫌を損ねるかもしれない。ここがどういう場所なのかわからない以上、せっかくの縁をふいにするのは惜しい。
「ふうん、ミコトっていうんだ。いい名前じゃない。よろしくね、ミコト」
 スセリと名乗った少女は、ミコトという名前の響きが気に入ったのか、何度も口に出している。
「あぁ……まあ、よろしくな、スセリ」
 尊人は曖昧に答えた。初対面の剣呑な態度に比べるとずいぶんと好意的だ。そこまで気に入られるようなことを何かしただろうか。そりゃ、さっきの悪者から助けた形にはなっているが、何とかしろと言われたからやったに過ぎない。そもそも尊人が逃げる邪魔立てをしたようなものだったし。
「ねえ、ミコトってどこかの異国から来たんでしょう?」
 不意にスセリがそう尋ねた。好奇心に輝く瞳が眩しい。
「どうしてそう思う?」
「だって、そうでなければこの都のことくらい少しは知ってるわよ。それに、そんな服来てる人この国では見たことないもの」
「そっか。それもそうだな……そんなとこだ」
 未来から来たにせよ、違う世界から来たにせよ、説明したところでわかってもらえるものではあるまい。外国から来たことにしておいたほうが何かと不整合はごまかせるだろう。
「だったらさ、宿とかは決まってる?」
「え? あ……」
 どうやらそれが聞きたかったがための先の質問だったらしい。
 正直な話、まだそこまで考える余裕など持てていなかった。
 しかし、いつどうやって元の時代(あるいは世界)に帰れるのかわからない以上、宿の確保は急務だった。どことも知れない場所で野宿する羽目になるのは避けたい。この世界が日本の平安時代と同じような世界だとすれば、都と言ってもあまり治安は期待できそうにないし。
「それが決まってないんだ。どこか泊まれる場所を知らないか? 寺とか神社とかさ」
 宿屋などというものが存在するのかわからなかったので、そう尋ねてみると、
「だったらうちに来ればいいわ」
 スセリがほぼ即答でそう答えてきた。何が嬉しいのか、ニコニコと笑っている。こうして笑顔を見るとやはり整った顔立ちだった。
「いいのか?」
「うんうん、大丈夫よ。お邸ってほど広い家じゃないけど、一人くらいなら問題ないわ。さっきは助けてもらっちゃったし、異国のことにも興味があるしね」
「ありがとう、助かるよ。実は困ってたんだ」
 ここは素直に礼を言っておくことにした。何か企んでいるのかも知れないが、自分のようなどこの馬の骨ともわからない人間を騙して得もあるまい。
「それじゃ、行きましょ」
 スセリは尊人の手を引いて歩き出した。
「お、おい」
 さっきはついて行くのがやっとの速さで走っていたから気が回らなかったが、スセリの手から伝わってくる体温にどことなく気恥ずかしさを感じる。
 かといって振りほどくのも悪いし、何となく惜しい。だから気を紛らすために尋ねてみた。
「そういやさ、さっきの連中は何者なんだ? ずいぶん柄の悪い奴らだったけど」
「検非違使(けびいし)の下っ端の放免(ほうめん)よ」
 スセリは忌々しそうに答えた。
「検非違使だぁ!? それって俺の記憶違いじゃなければ役人だろ。あの柄の悪いのがか? それよりお前、いったい何やらかしたんだよ?」
 尊人は思わず驚きの声を上げる。もしかしてスセリのほうが悪くて追われてたのではないか。
「あたしはただ、水ぶっかけて喧嘩売っただけよ。あいつらったら、市場のおばさんに難癖つけて売り物を巻き上げようとしてたの。役人って言っても元が罪人だから、本当にろくでもない奴らよ」
 その時の様子を思いだしたのか、スセリは顔を真っ赤にして頬を膨らませている。
「そ、そうか」
 ずいぶんと正義感が強いようだが、あまり後先考えずに行動するタイプらしい。結局、怒りの矛先を向けられて追いかけられる羽目になったのだろう。しかし、悪い人間ではなさそうだ。

Back/Index/Next

背景画像:季節素材 夢幻華亭

海外ドラマ
広告 [PR] 再就職支援 スキルアップ アルバイト 無料レンタルサーバー